障害児通所支援報酬改定について【児童福祉法】
2023/12/19
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性についての資料が障害福祉サービス等報酬改定検討チームより12月6日に発表がありました。今回は報酬改定の基本的方向性の整理・取りまとめということで、今後は令和 6 年度政府予算編成、令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(案)の取りまとめ、関係告示の改正、通知等の発出、改定後の障害福祉サービス等報酬の適用と来年度の改定に向けて準備が進んでいきます。すでに障害児通所支援事業をはじめとした障害福祉サービス事業を運営中の事業者はもちろん、これから開設を検討中の事業者においても、最新情報の確認をしておきましょう。
目次
障害児に対する専門的で質の高い支援体制の構築のため主な改定項目
(1)児童発達支援センターの機能強化等による地域の支援体制の充実
①障害特性に関わらず身近な地域で支援を受けられる体制の整備
②児童発達支援センターの機能・運営の強化
(2)質の高い発達支援の提供の推進
①総合的な支援の推進と特定領域への支援の評価等
②関係機関との連携の強化
③将来の自立等に向けた支援の充実
(3)支援ニーズの高い児への支援の充実
①医療的ケア児・重症心身障害児への支援の充実
②強度行動障害を有する児への支援の充実
③ケアニーズの高い児への支援の充実
④継続的に学校に通学できない児童(不登校児童)への支援の充実
⑤居宅訪問型児童発達支援の充実
(4)家族支援の充実
①家族への相談援助等の充実
②預かりニーズへの対応
(5)インクルージョンの推進
①児童発達支援・放課後等デイサービスにおける
インクルージョンに向けた取組の推進
②保育所等訪問支援の充実
(6)障害児入所施設における支援の充実
①地域生活に向けた支援の充実
②小規模化等による質の高い支援の提供の推進
③支援ニーズの高い児への支援の充実
④家族支援の充実
(7)障害児相談支援の適切な実施・質の向上や提供体制の整備
①質の高い相談支援を提供するための充実・強化
※『令和5年12 月6日障害福祉サービス等報酬改定検討チーム』より
このように、障害福祉サービス等報酬改定検討チームより発表している資料の項目を見るだけでも盛りだくさんの内容になっており、もちろんすべての内容を把握し、網羅していく必要はあります。そのため少しずつできる部分から準備をしていくことも大事なことです。
特に注目すべき部分は?
もちろんすべての項目が注目すべき部分ではありますが、今回は上記記載主な改定項目の中の
(2)質の高い発達支援の提供の推進
①総合的な支援の推進と特定領域への支援の評価等
の部分についての最新情報を抜粋させていただきます。
総合的な支援の推進と特定領域への支援の評価等
・適切なアセスメントの実施とこどもの特性を踏まえた支援を確保する観点から、支援において、5領域 を全て含めた総合的な支援を提供することを基本とし 、支援内容について、事業所の個別支援計画等において5領域とのつながりを明確化した上で提供することを求める。
※「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」
・総合的な支援と支援内容の見える化を進める観点から、事業所において、5領域とのつながりを明確化した事業所全体の支援内容を示すプログラムの策定・公表を求めるとともに、未実施の場合の報酬の減算を設ける。
・児童指導員等加配加算について、 専門職による支援の評価は専門的支援加算により行うこととし、 経験ある人材の活用・評価を推進する観点から、配置形態(常勤・非常勤等)や経験年数に応じた評価を行う。
・専門的支援加算及び特別支援加算について、専門人材の活用とニーズを踏まえた計画的な専門的支援の実施を進める観点から、両加算を統合し、
専門的な支援を提供する体制と、専門人材による個別・集中的な支援の計画的な実施を2段階で評価する。
・基本報酬について、発達支援に対するきめ細かい評価とする観点から、極めて短時間の支援は算定対象から原則除外するとともに、個別支援計画に定めた個々の利用者の支援時間に応じた評価が可能となるよう、支援時間による区分を設ける。
・自己評価・保護者評価について、運用の標準化と徹底を図る観点から、基準において実施方法を明確化する。
※『令和5年12 月6日障害福祉サービス等報酬改定検討チーム』より
個別支援計画の作成や、加算の算定で現在運営を行っている事業者様にとっては特に気になる部分かと思います。最新情報については、今後の障害福祉サービス等検討チームの情報をご確認いただく必要がありますが、今後の運営について等ご相談がございましたら、報酬改定の見通しを見据えたうえで事業所運営のご相談も承っておりますので、お気軽にお問合せ下さい。